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骨髄バンク ドナーの輪

ドナー体験記
トップとびにゃさん
2004年12月、私は骨髄ドナーとしてとても貴重な体験をさせていただきました。
登録から採取までの流れは他の方の体験記に詳しく書かれている(皆さんとほぼ同じです)のでここではお伝えすることは控えさせていただき、私なりのメンタルな部分で感じたことをお伝えしたいと思います。


・ 今から登録しようと考えている方へ

昨年はベストセラー小説やドラマの影響でドナー登録をされた方が多かったと聞きました。
しかし、その反面選定されると辞退する方の数も増えたと聞いています。
登録することは大きな一歩です。そして登録の目的は実際に提供することです。

選定されるまでに数年(私は8年)かかることもあるのでその間に色々な環境の変化があると思いますが、できることなら自分に関わるできるだけ多くの人に登録したことを伝えておくべきだと思います。
終わってから実感したことですが、自分がドナーになるために家族や同僚などとても多くの人達を気が付かないうちに巻き込んでしまっています。

登録のきっかけは軽い気持ちでOKですが、大事なときに問題がおこらないように普段から心がけておくこと、自分が怖気付かない気持ちを維持することが大切だと思います。


・ 痛いの?怖いの?と心配な方へ

個人差はあると思いますが骨髄採取は大して痛くありません。怖がらなくて大丈夫です。
手術への不安で登録や同意を躊躇している方がおられたら試してみることをお勧めします。

確認検査から術後検診まで、結構な回数の採血などが行われましたが、苦痛を伴うものはほとんどありませんでした。
手術に関しても担当の先生が良かったのか、2、3日の間寝返りできない程度で退院後2日目から仕事復帰することができました。
ただし、麻酔前の浣腸の辛さ(危うく貧血をおこすところでした)には驚きましたが日頃下剤を使用している人であれば案外平気だそうです。


・ 術前で少しブルーになっている方へ

ドナー登録をしている方、登録しようか迷っている方は人の命について一度は真剣に考えたことがある方だと思います。
私もそうだったのですが今回の体験の中で本当に涙が出るほどいのちの重みが身にしみたのは採取一週間前ぐらいからでした。
ドナーが見つかった患者さんの移植手術前の状況がどんなに大変なものかをコーディネーターの方からお聞きしていますので、一人の患者さんの命が自分にかかっているという緊張感は今考えても苦しくなるほどです。
患者さんにとっては本当の命がけの処置を行っているのですから、健康体である自分の不注意でストップするなんてできないという一種の強迫観念的な気分かも知れません。

そのころ私は患者さんに「ゆきちゃん」という呼び名(仔ヤギみたいですが)を付けました。
「ゆきちゃーん、もうちょっとだからがんばってね」とか「ゆきちゃん、調子はどう?」とか現実逃避なのか、より現実に近づけるためなのかよくわからないような呼びかけを頭の中ですることによって友達のような親しさを感じることができ、緊張感を和らげることができたと思います。重みを感じすぎている人は試してみてください。


・ 感想

ドナーになった感想は、 「脱皮」したような気分 です。
もちろんそんな気持ちを求めて登録した訳ではなく、特定できない人のために自分を犠牲にするなんて崇高な気持ちでもなく、バンクの趣旨に賛同したからです。

半年ぐらい経たないと患者さんの結果がわからないということもあって、まだめでたしめでたしという気分にはなれませんが、確実に自分の中の何かが変わりました。
人それぞれ感じることは違うと思いますので自分自身で感じてほしいと思います。


・ ドナー体験をした人達へ

ドナー体験を人に話すと、ほとんどの人が「すごいね、偉いね、でも自分はできない」と言います。
はじめのうちは褒められて少し得意になっていましたが、今ではどうして「自分はできない」なんだろう、とそれがとても気になります。
私がドナー登録をしたときにはまだ一般的にネットなど普及しておらず、パンフレットに書かれてあることしか情報がないような状況でした。
今はこのサイトのように人の体験を聞かせてもらうことができるので、ドナー登録や手術への不安を取り除くことができ良くなったと思います。

しかし、このサイトを見ている人は既にバンク登録している人か、興味を持っている方がほとんどではないでしょうか。
少しでも多くの患者さんが希望を持つことができるようになるには、「自分はできない」と思っている人達に骨髄バンクに登録してもらうことが必要です。
それには体験者である私達が多くの人に語りかけることが必要なのだと思います。
提供は2回しかできませんが命のリレーのお手伝いをすることは何度でもできるんですから。





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